the car or the goat, that is the question
というわけで、昨日の続きである。記法等も昨日のものに従う。今日の目的は、時系列を考えずに、等確率で実現される事象を表わす順序対として状況を記述し、昨日と同様の結果を導くことである。
まず、順序対 を ∧ の略記とする。また、標本 の確率測度を と書く。 なる標本*1を列挙すると:
、
、
、
、
問題は、 が一般には互いに等しくないということである。
では、確率測度はそれぞれいくらなのであろうか? 重要なのは である。例として、 を考えよう。 しか起こり得ないが、事情が 等の場合とは違う。 は前提であるが、時系列を考えなければ が考えられる。しかし、可能なのは のみである。司会者の立場で考えれば、 と とは、以下のように違う:
- が等確率で実現し得る。それぞれが に対応する。
- 司会者は を等確率で実現しようとし得る。しかし、 であるので、 を実現しようとした司会者は に鞍替えしなければならない。これを と書こう。 は等確率で実現し得、その和が にあたる。
すなわち、 は実は を基準とすれば、2つの標本をまとめたもので、
と
とを考えねばならない。これで、各標本の確率測度は等しくなる。
を見れば分かるように、「あなた」は選択を変えた方が となる確率は高い。
……あやしい。結局、一番簡単なのは、昨日の「簡単に」で説明した手法であろう。
*1:本当は全部書きたいが、繁雑になるので仕方がない