一人前への階段をまた一歩

定期入れを家に忘れる。なにやっとんねん、ワシ。そういうノリで始まった一日。昼の、ほうれんそうスパゲティも、ほうれんそうソースが白系の服にかかるわ、踏んだり蹴ったり。
帰り、駅前で「手相を見せてください」と絡まれる。ああ、ニューエイジ系の「例のアレ」か、それとも、もうちょっと伝統のある「例のアレ」かな? などと考えつつ、ここはちょっと引っかかってやろうと、訳の分からないことを考え。「はい、お願いします」などと。ちなみに、手相は全く信じていない。為念。まず、こちらの事情を聞きまくり、手相を見て褒めちぎる。さらにもう一人、女の人まで出てきて褒めちぎる。しかし、そこかしこに、こちらを不安にする言葉が入っている。意地の悪い保険屋のようである。であるが、言っていることは、あまりに月並。この程度であれば、私の方が良いアドバイスが出来る自身がある。こんな若僧に、人生経験で負けてどうするよ。ああ、だから「例のアレ」に嵌まっちゃうのね。こっちは疲れてるってのに、こんなところで長々と話を…などと、自分から積極的に引っかかった癖にイライラする私。しかし、表向きは、「へえ、そうなんですかー」「ああ、なるほど」「はい、そうですねー」と笑顔を絶やさず。
そして、来た。遂に。本格的に相談を受けろと言い出した。高額な請求をするつもりであろう。本当に「来たー!」である。ここをどう切りぬけるかが、腕の見せ所である。様々な方法があるが、私は最後まで飽くまで丁寧に、相手の調子に合わせて、が多い。以前、セールスの電話を撃退したときも同様であった。大学で宗教系サークルに勧誘されたときは、もう少し荒い対応であったが、私も丸くなったということであろうか。ちなみに、セールス電話撃退の腕は、母親の認めるところである。
今回も同様。相手の言うことは決して否定せず、しかし、どこか、私にとって都合が悪いと (嘘でも) 言える場所を見付け、「まことに申し訳ございませんが…」「本当に、どうもありがとうございました」等々、美辞麗句を並べたて、退場。お二人、私を誘おうと長い時間を割いたわけであるが、完全に無駄骨だったわけである。
さて、これではまだ少し面白くない。今度同じ様なことがあったら、100%完全に嘘の生い立ち等を話してみようかと思っている。