洗浄からお伝えします

えー、あー、うー、うー、マイクテス、マイクテス。
えー、私は現在、大変な惨事が発生したと言われる、beeplex邸に来ています。beeplex氏はほぼ軟禁状態にあるということでして、取材はおそらく最初で最後のものになると思われます。さて、一歩部屋に足を踏み入れてみます。うわっ! 臭い! 冬にもかかわらず窓が全開になっており、とても寒いのですが、それでも臭い! えー、テレビの前の皆様に匂いをお伝えしたいのですが、これは…何の匂いなんでしょう。塩素系の匂い。小学校のプールを思わせる匂い、それから何かすっぱい匂いもします。更には洗剤や消臭剤のような…。なんとも表現できない状態となっております。
ああ! これをご覧ください! 大変なゴミの山です。中身はほとんど生ゴミとその容器で占められております。何かの理由で、食物を大量に捨てたようです。中にはまだ食べられそうなものも沢山…あぁ! ダメです。ここがすっぱい匂いの元のようです。賞味期限はともかく、近付いただけで食欲が無くなる状態となっています。何かに汚染されたのでしょうか?
続いて、視線を上に戻し、キッチンを見てみましょう。なんということでしょう、場違いな物品の山です。まず、大量のニンジン。何本あるでしょうか? 1…2…3…4本はあります。そして、この様々な形のガラス板は何でしょう? おっと、その前にも食物がいくつか並んでいます。おかしいですね。ゴミ袋の中のものとは違い、全て密封されています。ああ、なるほど。密封されていたため、汚染を免れたようです。
塩素系の匂いの元はシンクのようです。なにやら、キッチンハイターとパイプユニッシュを同時に使用した形跡があります。どちらも危険な物質です。一体どのような事態がここで勃発したというのでしょうか?
隣に冷蔵庫があります。おっと、カメラさん寄って寄って! 冷蔵庫の上に小さく、beeplex氏の本名が書いてあります。これについてインタビューを…
beeplex:「ああ、待って! 見ないで! あの、玄関に近いので、宅配便の受け取りのサインとか、冷蔵庫の上ですると、カーボンコピーで写っちゃって…」
あ、指で必死に本名を消そうとしています。そういうbeeplex氏の指は長い間水仕事をしていたためか、しわしわです。
では、冷蔵庫を開けてみましょう。えっ?! このような男の一人暮しとは思えないほど綺麗です。いえ、綺麗どころではありません。何も入っていません。食料品が入っていないどころではありません。仕切り板の一つすら入っていません。まるで買ったばかりの冷蔵庫のようです。ということは…先ほどキッチンに置いてあったガラス板は冷蔵庫の仕切り板のようです。しかし、何故、このように取り外す必要があったのでしょうか。
ん? 冷蔵庫中に、まだ微かにただよう匂い…これは確か…カメラさん! ゴミ袋! いや、生ゴミじゃなくて、燃えないゴミの方! これです! 発見しました。ロゴがふやけて良く見えませんが…確かに「白ワインビネガー」と書いてあります。そして、蓋が…よいしょ…よく閉まりません。いやー、しかし、白ワインビネガーを巡って何が起こったのでしょうか? 続報をご期待ください。