DIE BUSTER、来い!!

PlayStation 2D端子ケーブルを買ったので、早速繋ぎ、ゲームなぞをしてみる。おお! 起動時の「PlayStation 2」ロゴからして、全然あでやかさがコケティッシュ。現在の手持ちのゲーム*1では、それほど違いは感じられないが…ということで、『トップをねらえ2!』5巻を投入! 暗いシーンで、いくらかPCの方が美しい場面もあるが、全体的には十分に試聴に耐え得る。またもや少し感動してしまった。多人数の場合は、PCよりもTVが見やすかろう。PS2はDVDプレイヤーとしても活躍しそうである。
そう言えば、卒業式で大阪に帰ったときの『トップ2!』観賞会の話をしていなかったか。私の記憶が正しければ、4月25日。卒業式の翌日である。あきまさ氏の家に集い、何故かOVAヘルシング』1巻 (2種類あるのだっけか? あきまさ氏によれば、新しい方らしい) を観てから、『トップ2!』である。私は既に実家の巨大*2プラズマテレビで観ているので2度目。そのあたりも踏まえて、以下の感想を読んで頂ければ嬉しい。今さらであるから問題ないとは思うが、当然ながらネタバレであるので、観ていない方は、gblogを読み進める前にレンタルビデオ屋に直行である。

以下、ネタバレ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

いよいよノノの出自、そしてノノリリの正体に近付いてきた、というところであろう。「ヱクセリヲン」が「エグゼリオ」になっていたあたりが肝か。
初め、ノノの発見シーンを観て、《ハリー・ポッター》シリーズ的な「主人公は最初から実は凄い人なんだよー」なのだと少し落胆。物語というものは、感情移入も含め『指輪物語』的な「普通 (以下) の人*3が勇者となる」べきだと思うのだ。しかし、ノノは言う。
「ノノリリはね、普通の女の子なんですよ」(うろ覚え)
トップレスであることは、少年・少女にとっては普通のことなのである。たしかにフラタニティに入っているトップレスはエリートではあろうが、戦闘経験値としてしか残らない「使い捨ての歯車」である。反対に、半永久的に戦闘経験値を積んでゆく対象であるノノに比べれば、彼女・彼らは「何者でもない」。「NOBODIES」なのである。「秘密サークル」を含め。だからこそ、「SOMEBODY」をそこに見出したニコラはノノを求めたのであろう。
ともかく、これではっきりした。『トップ2!』の主人公は「トップレスでなかったが、トップレスとなる*4ノノ」ではない。「トップレスで**しか**なかったラルク」である。ノノは話者でしかない。『トップ』でのノリコと「お姉さま」との関係が、『トップ2!』では歪んでいる (ノノより背が低く、子供っぽく、「お菓子系」な「お姉さま」) のも、これで理解できる。
さて、物語に戻ろう。冒頭の会議シーンはそのまま、『トップ』5話のセルフパロディであろうか。提督含め。エグゼリオに近付いてゆくシーンは、『天空の城ラピュタ』で「竜の巣」*5に入ってゆくところか。名称も「宇宙怪獣の巣」*6であるし。ノノに道を開ける<宇宙怪獣>は猫バスの疾走シーン? というのは穿ちすぎか。設定インフレーション系SFではよくある描写であるし。しかし、このシーンでは背筋がゾクっとした。「人間サイズの超兵器」*7は私の求めていたものなのである。『トップ2!』が「巨大ロボットもの」ではなく「変身少女もの」となったのは、私としては特大逆転ホームランである。
サブタイトルともなっている、「星を動かすシーン」。初見では、実はそれほど心うたれることはなかった。しかし、観賞会はここで大盛りあがり。ここで物理系な疑問が出る。4話ではラルクはノノを助けに行くことは出来なかった。太陽系の反対側だからである。だが、「トップレス」とは「物理法則をねじ曲げる能力」の筈。何故、ワープのようなことが出来ないのか。もちろん、トップレス毎の得意不得意*8はあろうが、ラルクならば助けにゆこうとするのではなかろうか? 4話時点の我々の結論は「トップレス能力は局所的である」であった。すなわち、一定距離までしかその力が及ばない。例えば距離の次元をもつ定数 \rho (以下、有効半径)を使って、トップレス能力の強さを表わすポテンシャル (以下、トップレス・ポテンシャル) \phi\phi=\phi_0e^{-r/\rho}/r のような湯川型をとると考えれば良い。ただし、ここで r はトップレスの額からの距離、\phi_0 はトップレス本人の (その時点での) 能力を表わすパラメタ (以下、固有トップレス・ポテンシャル) である。こうすれば、距離 r>\rho では、物理学的にはトップレス能力は及ばないと言える。1話で、火星のどこかにいるであろうディスヌフを自在に呼び出していたことから、\rho は惑星直径程度のオーダーの量であると考えられる。しかしながら、5話では土星近辺にあると考えられるディスヌフを呼び寄せ、惑星間程度のオーダーの距離だけ離れているであろう雷王星*9中心核を瞬間移動させてきた。十分に有効半径が大きければ問題ないが、オーダーからして、惑星直径程度を越えるとなると、過去の戦闘でも、遠方からの攻撃など、別の戦略がとられたと考えるのが妥当であろう。従って、トップレス・ポテンシャルとして、\phi=\phi_0/r のクーロン型を提唱する。湯川型で、有効半径を無限大に発散させたものである。5話の戦闘では、ラルクのクレフシン発光は凄いものであった。ノノに感化され、非常にテンションの高い状態にあったと言えよう。ここではラルクの固有トップレス・ポテンシャルは非常に高く、惑星間距離程度のオーダーは大したものではなかったと考える。もちろん、有効半径をクレフシン発光の関数と考えても良いが。
そして最後。ここが重要である。月面の帝都東京では (ありがちな) 長老の会議が開かれていた。これは人類の通過儀礼なのだと長老達は言っていた。ここで、冒頭の会議シーンを思い出して頂きたい。<宇宙怪獣>は自ら進化し、現在の形を獲得したのである。5話のテーマは「進化」に思える。正直言おう。このまま、「エグゼリオを取り込んだ変動重力源」が最後の敵となり、これを倒すのが最終目標となるのであれば、『トップ2!』を高く評価することは難しい。しかし、私は6話は「人類進化SF」となる可能性があると考えている。うまくすれば、名作の誕生となろう。期待している。

*1:ただし『FINAL FANTASY XII』では試していない

*2:私にとって

*3:『指輪』は「人」ではないにしろ

*4:実際にはならないわけであるが

*5:龍…ではないと思う。しかし、ネットで少し調べた範囲では「龍の巣」派が多い

*6:DVDパッケージより

*7:Gガンダムパロ?

*8:チコはテレパシーが得意、等

*9:だったっけか?