ローマ人の造りしラテン語の切り札

ファッションブランド「FACTOTUM」の意味であるが、昨日紹介した「勝手に生きろ」は少し違うのではないかと思う次第。語形からして、通常の命令形ではなさそうであるし、接続法を使用した命令でもなさそうである。何かの supīnum かとも思ったが、命令的な用法は見付けられなかった。しかし、ラテン語であるから、思いもよらない意味のある可能性もあって (特に、supīnum から動詞1人称単数を推測するのはまだ手に余る) 自信は無い。
ともかく、調べた結果:``Factotum'' なる小説がある (Factotum - Wikipedia より) ようである。語源はラテン語の動詞 faciō, fēcī, factum, facere (=作る;する) と代名形容詞 tōtus, tōta, tōtum (=全体の、全部の) とであるらしい。意味としては、「全てをする (者)」だそうな。
(参考文献:呉茂一『ラテン語入門』(岩波全書172)、有田潤『初級ラテン語入門』(isbn:4560007500) )

補足

ラテン語勉強で長音を表わすのに使用する、母音の上の横棒 (マクロン) の表記については、Unicode実体参照を使用した。本当は文字 A にマクロンをつけたものは Ā と書けるようだが、はてなダイアリーは対応していないのか使用できなかった。実体参照はそれぞれ、ā=ā, ē=ē, ī=ī, ō=ō, ū=ū である。(参考:マクロン - Wikipedia)