あまりにヴァイオレットな

映画『ウルトラヴァイオレット』(原題:``Ultraviolet'') を観てきた。http://zeroreturns.blog.shinobi.jp/Entry/66/http://www.cs-tv.net/t/D000000/&movie_id=00008976 などをみると、やはりアメコミの実写版のよう。簡単に感想など。以下、本作品、および論ずるのに必要な他作品へのネタバレを含む。注意の程。


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もっとも完結にこの映画を言い表す言葉は、

である。それ以上でも、それ以下でもない*2。ストーリーや背景説明、また世界観の奥行きを持たせるための「中だるみ」など必要ない、ともかくカッコいいアクションが観たいというのであればどうぞ。「それ」以上の「アメコミ系映画」が観たい方は、『アンブレイカブル』(原題:``UNBREAKABLE'';asin:B00006RD6X) をどうぞ。こちらは素晴しい作品。もともと、90分のアクション映画に「それ」以上を期待するのも、経験上、ほとんど無理な話ではある。最近の数少ない例外は『エイリアン VS. プレデター』(原題:``ALIEN VS. PREDATOR'';なんだかDVDの種類が多いので、ASINは省略)。友人達は反対するが、私は傑作だと思っている。
では、ダメダメな映画だったかというと、そのようなことは全くない。一発ネタとしては面白い。映像的なオマージュが多いらしく*3、冒頭から、昔のフランス映画で見たような演出が展開される。ここは良くできている。また、ヴァイオレットの描き方もカッコいい。名前は忘れたが、別空間 (?) に武器などを格納する技術等のビジュアルは、非常に魅力的であった。では、何がいけないか。話がありきたり? それこそ、よくある話である。一度観ればわかるように、遠景のCGがあまりに雑。直方体プリミティブでも並べたのであろうか? 『ブレードランナー』(原題:``Blade Runner'';asin:B00005HC4L) でも観て、勉強しなおして頂きたい。
何がもっとも心に残ったか。当然、ヴァイオレットの格好である。紫色の髮、サングラス、チリチリと (何故か) ほとばしる放電。そして、そのアクション。ああ、これは草薙素子ではないか。そうか、草薙素子ミラ・ジョヴォヴィッチだったのか。納得できる。

*1:6/27「ポスト『マトリックス』」追記。一番重要な部分を忘れていた

*2:完全に蛇足だが、この場合の「以上」「以下」は数学用語ではなく、「それ」は含まない概念である

*3:失礼。情報元失念