The Da Vinci Code

何故、出かけたかと言うと、話題の映画『ダ・ヴィンチ・コード』(原題:``The Da Vinci Code'') を観るためである。短いが感想を書く。以下、ネタバレであるので、注意。ちなみに、予告編で注目は『ウルトラヴァイオレット』(原題:``Ultraviolet'';映像美に期待) と『ゲド戦記』(なんやかんや言って、普通に面白そう) である。


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まず、私は原作を読んでいないという点を前提として、読んで頂きたい。であるから、プロット自体について、原則、何かを言おうとするつもりは無い。純粋に「映画として」出来が良いか。純粋に「映画として」ストーリーを魅力的に表現しているかだけを扱うつもりである。
この映画、要は普通のミステリーものである。ハリウッド映画として見れば、中の上程度であろうか。「非常に難しい映画」との前評判が多く有ったが、正直拍子抜けである。確かに、物語初期段階、まだプロットを把握していない時点のセリフや設定等で、理解していないものはある。しかし、これを「難しい」などという人は『メメント』(原題:``MEMENTO'';asin:B0000D8RO4) でも観て、ひっくりかえるがよい。難しさとしては、映画版『マイノリティ・リポート』(原題:``MINORITY REPORT'';asin:B000BX4AKM) 程度であろうか。それとも、ほんの少しはキリスト教の知識が無いわけではないために、私がそう感じるだけであろうか? 分からなかった部分はもう一度観るべきなのであろうが、重い映画であるので、それもなかなか難しい。
「聖杯」の正体も、物語序盤が終わる頃には明らか。どんでん返しがあるのかと思いきや、そのまま行ってしまう。(これはプロットに関するところなので、原作に責任があるのか、映画にあるのか分からない。しかし、「リアルタイムメディア」*1たる映画として、これは致命的である) 一方、「足りない球」を探すシーンなど、「主人公の記憶力の良さ」の表現はよく出来ていた。反対に、興味のある人が少しでも謎解きに参加できるような配慮は、あまり感じられない。ほとんどアクション映画である。ハリウッド映画としてはお決まりであるが。
広げた風呂敷は適当に折り畳んだ程度。せいぜい、ここまでキリスト教に喧嘩を売ったような内容はなかなか無いかな、という点は評価できる。(別に私が反キリスト教というわけではない。これだけのものを作ったクリエイター魂を評価しているのである)
……。
ごめんなさい! お見それしました! 最後の最後。最初の伏線がこのように回収されるとは! 風呂敷は最初から畳まれていたのだ。あそこでスタッフロールにそのまま入るのも、映画のテンポとして最高。最後の1分程度で、評価は「中の上」から、「上の中」〜「上の上」へ移行。一発ネタではあるが。全く、嫌いではない。演出もパーフェクトと言えよう。
結論:最後を待て!

*1:観賞する側の時間を作品が支配している