『フォーガットン』

デビッド・デイトールキン 指輪物語事典』(isbn:4562033568) などをめくりつつ、映画『フォーガットン』をDVDで借りてきて観る。そんな、遊んでいる時間なんて無いのに。
警告:以下、『フォーガットン』についてネタバレを含みます。観た人、観る予定の全く無い人は「続きを読む」で。


イデアは大好きである。誰も信用できない。おかしいのは自分か、皆か。そして、不思議なことが次々起こる。主人公テリーとアッシュ (だったか? 一緒に行動していた人は) との関係も良く描けている。しかし、最後で広げ過ぎた風呂敷を全く畳めていない。これだったら、1時間の『X-FILES』で十分。それから、何故テリーはあの医者をそう簡単に信用するのか、描けていない。それも失敗。
イデアは大好きである。本当に。一般的な解釈としては、犯人は宇宙人、ということになるのだろうか? しかし、私は違うのではないか、と考える。理由は以下のとおり:

  1. 宇宙人を示唆する言葉 (「アブダクション」) の登場が早過ぎる。(開始30分程度)
  2. テリー達に捕まった、NSAの男のセリフで、「実験」を行っているのが「誰にも理解できない」存在であると示唆されている。宇宙人は当然ながら、「理解可能」な存在である。

つまり、この「実験」の裏に居るのは、人間や宇宙人やロボットなどよりも、ずっと高次の存在、それこそ神に近い (『スタートレック』で言えば「Q」みたいな) 存在ではないかと思うのである。はっきり言って、宇宙人ではあまりに面白みがなさすぎる。スタッフは、この方向から「実験」の裏に居る存在の片鱗でも感じさせて欲しかった。
だから、1時間半の映画はダメだと言うのだ。とは、私の持論。