『ディアスポラ』

昨日書いた、「第8章の、親殺しのパラドクスが仮想粒子によるブラックホールで解決されるあたり」について、出向先の研究室のO先輩と議論。結局、以下のようなことではないかということに落ち着いた。
ワームホールA→A'とワームホールB'←Bがあるとする。こいつらはちょうど粒子がその中を反対向きに通れるように設置しておく。で、系Kにおいて同時刻にAとB'とが、そしてA'とBとが重なる(同じ世界点を共有する)ようにし、B'←Bは右方向に動いているものとする。この瞬間にAから粒子が入ったとすると、B'はAに対して時間的に負方向にあるので、親殺しのパラドクスが発生しうる。ともかくは、問題を単純化してこのようなモデルを考えた。ここで、仮想粒子が …→A→A'→B→B'→A→… と動くループが考えられるが、これはただの真空のダイアグラムであって、おそらくブラックホールなどは生まれない。一方、最初に外部からAに仮想粒子が飛び込み、A→A'→B→B'→A(※)→…とループを作った場合、最初にAに入ってきた仮想粒子と、次にAにやってきた仮想粒子(※で記した)は、当然ながら別のもの(つまり反応して、1つの粒子になったりしない)である。つまり、真空のダイアグラムとはならず、仮想粒子が無限個連なり、ブラックホールとなる。大事なのは、外部から仮想粒子が最初に入ってくることなのね。……本当にこれで良いのかは全く不明。