インサイド・マン

インサイド・マン』をDVDで観ました。
つまらなくは無いんですが、…いや、やっぱりつまらないか。
基本的に私はSF者なので、人質が解放されるかどうかなんてのはどうでもいいんです。時空の行く末は大事だけれど、人命なんて小さな問題なんです。なんて言ったら怒られるのだろうか?
こういった映画を観るのは別に宇宙の存在理由を思索するためではないので、そういったところがなかろうと楽しむには問題ないはずなんですけど、じゃあ人間ドラマがちゃんとあるか…というとそうでもないのが残念なところ。主人公の刑事の立ち位置というか、どういった感覚で事件に接しているのかが分からない。比較的頭が切れる描写はされているが、まんまと裏をかかれすぎたり、と思いきや政治的な駆け引きをしだし、でも結局は偶然手に入ったダイヤを眺めつつ元の鞘に…。
政治、社会描写が得意な監督…との噂も聞いたが、じゃあたとえばあの黒人少年が持っていたゲームが寓話的な意味以上のものを持っているかというと、NOと答えざるを得ない。犯人の動機も含め寓話的な話ではあるんだけれども、寓話にしてはインパクトが薄いし、もしかして監督はこれを大真面目でやっているのだろうか? と考えてしまうほどだ。
日曜洋画劇場でやってたら見ても良いかも。